マレーシアでの服装で気を付けることは?マナーや注意点について解説

マレーシアは、さまざまな文化や風習が入り混じった国です。
近代的な街並みの中には豊かな緑や歴史的な建造物、寺院などが点在し、朝から夜まで見どころが豊富で観光地としても有名です。
マレーシアでの生活をより楽しむために、季節ごとの気候や適切な服装についてご紹介いたします。
Contents
マレーシアの平均気温や降水量は?

マレーシアでどんな服装をすればいいかを知るために、まず首都クアラルンプールと東マレーシア最大の都市であるコタキナバルの平均気温と降水量について見ていきましょう。
【グラフ】マレーシアの平均気温と降水量

参考:マレーシア政府観光局
このグラフグラフからも分かるように、マレーシアは一年中気温がほとんど変わりません。
降水量は雨季と乾季で異なり、クアラルンプールでは4月から9月が乾季であり、10月から3月が雨季です。
一方、コタキナバルは1月から4月が乾季であり、5月から12月が雨季となっています。
乾季の降水量は東京とほぼ同じくらいですが、雨季は乾季の2倍以上の降水量になります。
マレーシアの季節ごとにおすすめの服装

マレーシアの平均気温と降水量が分かったところで、季節ごとにおすすめの服装について解説します。
マレーシアの季節は、大きく乾季と雨季に分けることができます。
乾季(4月・5月・6月・7月・8月・9月)の服装
マレーシアは、日差しが強くとても暑いです。
紫外線から肌を守るために、日焼け止めや帽子、薄手のストールなど、必ず着用しましょう。
真夏の服装(シンプルで無地のワンピースなど)に、薄い長袖のパーカーやストールを組み合わせた服装がオススメです。
ただし、レストランやショッピングモールなどではエアコンが効いていて、寒く感じることもあるので、さっと羽織り物を忘れずに持っていくといいでしょう。
雨季(10月・11月・12月・1月・2月・3月)の服装
マレーシアは雨季であっても、日本の梅雨のように一日中ジトジトと雨が続くわけではありません。
激しい雨が2、30分ほどザーっと降ります。
夏は雨が降りやすくなるので、必ず雨具を持ち歩いてください。
また、濡れても乾きやすい素材の靴を履いておくと便利です。
足を露出していると虫に刺されやすいので、足を露出する場合は、虫よけやムヒなど虫対策もお忘れなく。
マレーシアでの場所・シーン毎の服装のポイント

その場所やシーンごとにマナーや注意すべき点がありますので服装のポイントを解説します。
観光・街歩き
観光や街を歩く際に特に留意すべき点は、「長時間歩くのに適した服装」です。
- 足になじんだ靴
- 通気性の高い衣服
- 帽子、サングラス、日焼け止めなどの紫外線予防対策
特に雨季は急なスコールが降る可能性も考えられるため、心配な方は雨具を携帯すると安心です。気温も一年中高いため、必ず水分補給できる飲み物も持ち歩いてください。
ショッピングモールなどの屋内、タクシーなどの車内
ショッピングモールやレストランなどの室内や、移動中の車内では冷房がかなり効いているため人によっては寒いと感じるでしょう。
そのため、冷房対策が必要です。
以下は、オススメの冷房対策アイテムです。
- パーカーやカーディガンなど、羽織れるアウター
- 膝掛けとして使用できるアイテム
- 寒がりの方向け:靴下、レギンス、スカーフやストール、裏起毛のパーカーなど
レストラン、カジノ、クラブなど
厳格な要件はないものの、一部の飲食店、カジノ、クラブではドレスコードが設けられていることがあります。
サンダルの着用は許可されていない場合もあり、一方で長ズボンであれば許容されることもあります。
具体的なルールは事前にお店に確認しておくと、安心して利用できますね。
モスク・寺院
マレーシアは多様な民族が共存する国で、さまざまなモスクや寺院が特徴的に存在しています。
ただし、モスクや寺院は神聖であり、一定のルールが存在していますので、注意が必要です。
基本的なルール・マナーとして、「肌の露出はNG」です。
ショートパンツやノースリーブなど露出の多い服装は避け、モスクや寺院に入る前には帽子やサングラスを外すようにしましょう。
しかし、「肌の露出が多いから」といった理由で断られることは少ないです。
実際には、腰に巻く布やヒジャブ、ローブなど、髪や肌を適切に隠すための衣装が無料で貸してくれることが多いです、
なお、礼拝時間や観光客の入場可否などについては事前に確認しておくといいでしょう。
緑の多い場所・高原地帯
マレーシアはモダンな都市からジャングルや豊かな自然に囲まれたエリア、そして標高の高い高原地帯まで、さまざまな魅力を持つ国です。
特に自然が豊かなエリアでは、虫が多く存在します。
虫対策としては、露出を最小限にする服装がおすすめです。
さらに、高原地帯では気温が20度以下になることもあるため、寒さ対策も必要です。
自然の豊かなエリアに行く際は、以下のアイテムを用意しておくと安心です。
- 虫除け対策
- 歩きやすい靴
- 肌を露出させない長袖や長ズボンなどの服装
- 気温変化に対応できるパーカーなど
マレーシアでタブーとされる服装はある?
マレーシアで、特に服装に関するタブーは存在しません。
ムスリム(イスラム教を信仰しているイスラム教徒のこと)の女性は通常、肌を覆っていますが、ムスリムでなければ特別な制限はなく、モスクを訪れる際にはスカーフやショールが提供されることが多いです。
ただし、女性の場合、ミニスカートは避けた方が良いでしょう。
ミニスカートや高いヒール、濃いメイクなどの派手な服装は、ナンパされたり、性犯罪に巻き込まれる可能性があります。
安全のためにも、過度な露出は避けるよう心がけましょう。
マレーシアの民族衣装は?

マレーシアは、多民族国家です。
人口の約半数はマレー系で、その他に中華系、インド系などが暮らしています。
それぞれの民族は、独自の文化や宗教を持ち、それが服装には反映されています。
マレーシアの民族衣装は、カラフルで華やかなものが多く、見ているだけで楽しくなります。
それでは、それぞれの民族の代表的な民族衣装を見ていきましょう。
マレー系の民族衣装
マレー系の女性の民族衣装は、バジュ・クルンと呼ばれるツーピースの衣装です。
上半身はブラウス状のトップスで、下半身はロングスカートです。
トップスは背中にボタンが付いており、首元や袖口には刺繍やレースが施されています。
スカートはプリーツやフリルがあしらわれたものや、花柄や幾何学模様などの柄物が多く見られます。
色合いも豊富で、パステルカラーやビビッドカラーなどがあります。
マレー系の女性はイスラム教徒が多いため、バジュ・クルンと一緒にヒジャブと呼ばれるスカーフを頭に巻きます。
ヒジャブは手と顔以外を覆うことで、 modesty(控えめさ)を表現します。
しかし、ヒジャブもファッションの一部であり、色や柄や巻き方に工夫を凝らしています
ヒジャブとバジュ・クルンの色合わせも重要で、コーディネート次第で印象が変わります。
マレー系の男性の民族衣装は、バジュ・マラユと呼ばれるスーツタイプの衣装です。
上着は長袖で襟付きで、ズボンはストレートタイプ。
上着は無地やストライプなどのシンプルなものが多く、ズボンは黒や茶などの落ち着いた色が多いです。
バジュ・マラユに合わせてかぶる帽子はカタヤと呼ばれます。
カタヤは黒や白などの無地で硬めの布で作られた円錐形の帽子です。
中華系の民族衣装
中華系の女性の民族衣装は、チャイナドレスやサロン・クバヤと呼ばれています。
チャイナドレスは中国から伝わった細身で体にフィットしたドレスで、襟元や裾に刺繍やパイピングが施されています。
チャイナドレスは赤や黒などの濃い色が多く、金色や銀色などの装飾が目立ちます。
インド系の民族衣装
インド系の民族衣装はサリーと呼ばれるもので、インドでは現在も日常的に着られています。
サリーは長さ約6メートルの布を体に巻きつけるように着る衣装で、色や柄、素材によって異なりバリエーションが豊富です。
サリーを着るときには、下着としてペチコートとブラウスを着用します。
ペチコートはスカート状のもので、サリーの色に合わせて選びます。
ブラウスは胸元や背中が開いたものが多いです。
サリーを巻く方法は出身地方や宗教によっても異なりますが、一般的にはペチコートの上から右側から始めて一周させ、左肩から胸元にかけて余った布を垂らします。
この垂らした部分をパッルと呼び、デザインや装飾が凝っていることが多いです。
サリーはインド系女性の美しさや気品を表現する民族衣装として、マレーシアでも愛用されています。
まとめ|マレーシアの多様な文化とファッションの魅力
マレーシアは異なる民族が共存し、その多様性が服装にも表れています。
気候に合わせた季節ごとの服装や場所ごとのマナーに留意することが重要です。
気温変動が少ない一年中の気象や雨季・乾季の違いを理解し、紫外線から身を守るためのアイテムも必要不可欠です。
また、観光地や宗教施設ではその場所に適切な服装が求められ、異なる民族の華やかな民族衣装も見どころの一つです。
マレーシアでの滞在をより楽しむために、服装に関する知識を身につけましょう。
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