マレーシアに進出した日系企業の特徴と動向を解説!成功の秘訣とは?

マレーシアの経済は右肩上がりで急成長しており、マレーシアを起点としてアジア全体にマーケットを展開する企業が増えました。
マレーシアに進出した日系企業は過去30年間で1,800社を超え、アジアの中では起業や経営がしやすい国の一つと言えるでしょう。
個人での会社設立も可能で、日本とマレーシア間の資産・資金の送金が自由に行えます。
そこで、本記事ではマレーシア進出した日系企業の特徴や動向、マレーシア進出で上手くいく秘訣について解説します。
Contents
マレーシアに進出している日系企業の業種は?

マレーシアには多くの日系企業が進出しています。
時代によって業種に特徴があり、マレーシア進出している日系企業のジャンルは様々です。
そこで本章では、マレーシア進出した日系企業の業種や特徴について、主な4つを紹介します。
- 自動車産業
- 製造業
- 飲食・サービス業
- IT・通信業
アジア規模のビジネスを、マレーシアを起点に広げる日系企業も増えていきています。
成果を上げている日系企業の特徴を掴み、ビジネス展開の参考の一つにしてみてください。
1.自動車産業
多くの日系自動車メーカーや日系部品メーカーがマレーシアに進出しており、自動車の製造や販売、部品の生産を行っています。
マレーシアはASEAN地域における自動車産業の拠点として位置付けられ、日系企業が活発に事業展開しています。
【関連:日本自動車工業会】
2.電子機器・化学医薬品などの製造業
日本の電子機器メーカーや半導体企業がマレーシアに工場を設置し、電子機器や半導体の製造・組み立てを行っています。
化学製品や医薬品の製造・研究開発を行っている日系企業も増えています。
3.飲食・サービス業
日本の食品・飲料メーカーもマレーシアに続々と進出しています。
これまでは製造業が盛んでしたが、マレーシアの急激な経済成長により、現地向けビジネスを展開しているのが特徴です。
近年の日系企業は、ローカルマーケットを意識した戦略を立てる場合が多いです。
4.IT・通信業
20年ほど前からマレーシア政府が外資のIT企業を誘致していたこともあり、日本のIT・通信企業が増加しています。
現在も誘致活動は積極的に行われており、マレーシア政府が定めた「MSCステータス」を満たすと10年分の法人税が免税になります。
IT企業産業は現在最も注目されており、他の産業分野と比べるとマレーシアに進出しやすいといえるでしょう。
マレーシアに進出している日系企業で働くには?

マレーシアの日系企業で働くには現地採用と駐在員として出向する2パターンがあります。
本章ではマレーシアの日系企業に就職する方法や、現地で働く際に必要なスキルについて以下4つを解説します。
- 現地採用と日本採用の違い
- 現地法人で現地採用の特徴
- 日本採用後に駐在員として出向する際の特徴
- マレーシアの日系企業で働くために必要なスキル
給与や福利厚生、その他の待遇面に違いがあるので、参考にしてみてください。
1.現地採用と日本採用の違い
現地採用と日本採用(駐在員として出向)の違いを以下の表にまとめました。
| 現地採用 | 日本採用(駐在員) | |
| 雇用元 | 現地の日系企業/外資系企業/ローカル企業 | 日本法人 |
| 裁量権 | ポジションに応じて変化 | マネジメントクラス以上 |
| 給与額 | 現地相場(リンギット) | 日本での給与+現地給与 |
| 勤務地 | 原則異動なし | 会社の辞令による |
| 任期 | 無し(本人次第) | 約3〜5年 |
| 日本の保険・年金 | 自己負担(任意) | 会社負担 |
| 福利厚生 | 医療保険/社用車支給など | 海外旅行保険加入/帯同家族分の手当/社用車支給/住宅手当など |
待遇面で大きく違いがあり、日本採用で現地に出向する方が給与や福利厚生が安定しています。
現地採用の場合、外国人の最低月給は5,000〜9,999リンギットと決められているので、日本円で約15万円は保証されています。(1リンギット=30円で換算)
また、職種に応じて社用車が支給され、プライベートでも利用可能な場合が多いです。
【関連:日本貿易振興機構】
2.現地法人で現地採用の特徴
マレーシアには新卒採用という概念がなく、即戦力となる人を常に求められます。
最近では、日本人をお客様としたBPO企業の求人が増え、語学力が低くても就職できる可能性が高いです。
もちろん、語学力に応じて挑戦できる求人の幅は広がります。
また現地マレーシアの日系企業で採用された場合、家賃や生活費は自分でやりくりしなければなりません。
ただ、マレーシアの物価を考えると現地採用の給与でもコンドミニアム(ジムやプール付きの高層マンション)に住むことができ、生活費も日本ほどかからないため、十分にいい暮らしができます。
3.日本採用後に駐在員として出向する際の特徴
現地採用と同じく、家賃や生活費が日本ほどかからず、快適な暮らしを維持できる点が特徴の一つです。
セキュリティーが整っているコンドミニアムに入居する場合が多く、家族を帯同する方でも安心して生活できます。
どの国にいつ駐在するかは会社の意向次第なので、どうしてもマレーシアで働きたいという方は現地採用がおすすめです。
4.マレーシアの日系企業で働くために必要なスキル
マレーシアはマレー系・中華系・インド系の民族から成る多民族国家です。
そのため日常会話では英語を使うことが多く、日系企業で働く場合でもある程度の英語スキルがあると安心です。
マレーシアは物価が低い分、英会話教室に日本の約1/3の授業料で通うことができます。
現地のマレーシア人が講師の場合が多く、英語を習得する大変さをネイティブより理解しています。
教え方が上手という定評があり、英語スキルを磨く環境には最高です。
【関連:マレーシア基礎データ(外務省)】
マレーシアで起業する場合|日系企業が成功する秘訣とは

本章では、マレーシアで起業する場合において重要な3つのポイントを解説します。
- マレーシアの多文化共存への理解を深める
- 日系企業の成功事例を学ぶ
- 起業サポート会社に依頼する
マレーシアでの起業を考えている方や、日系企業への就職を考えている方は参考にしてみてください。
1.マレーシアの多文化共存への理解を深める
マレーシアの国教はイスラム教で、国民の約65%がイスラム教徒です。
イスラム教徒の顧客・ビジネスパートナー・同僚とのやり取りでは、食事内容や1日5回の礼拝時間への配慮が必要です。
また、オープンで率直な批判や否定を避け、相手の体面を配慮したコミュニケーションが好まれる傾向にあります。
信頼関係はゆっくり構築していき、徐々にビジネスの話へと移行することが一般的です。
2.日系企業の成功事例を学ぶ
マレーシアの日系企業の中には、イスラム教徒の生活習慣を尊重した職場環境を作ることで、成功を収めた事例があります。
例として、イスラム教のラマダン(断食月)の間は、勤務時間を調整し、従業員が宗教的義務を両立できるよう配慮する取り組みが行われています。
また、ハラル認証食品(豚肉やアルコールが入っていない食品)を社食で提供することで、現地従業員からの信頼を獲得することができます。
【関連:マレーシアという国(外務省)】
3.起業サポート会社に依頼する
日系企業がマレーシアに拠点を置く際、サポート会社の活用がおすすめです。
日系企業の海外進出に強い専門家がサポートしてくれるため、市場調査や会社設立手続きなどがスムーズに進みます。
その道のプロと一緒に、安心してスタートを切れるので少しでも不安な方はマレーシア専門のサポート会社へ相談しましょう。
マレーシア進出で専門家に依頼するメリット

マレーシア に関わらず、海外進出する際は専門的な知識が必要不可欠です。
というのも、業種や業務内容によってライセンス取得が必要な場合や、テストマーケティングが必要な場合があるからです。
そこで本章では、日系企業がサポート会社や専門家を活用するメリットについて紹介します。
- マレーシアのビジネス市場や商習慣を熟知している
- 現地手続きや法令に詳しい
サポート会社や専門家の業務は多岐にわたります。
マレーシア進出する際に、避けては通れないプロセスをサポート・代行するので、ぜひ参考にしてみてください。
1.マレーシアのビジネス市場や商習慣を熟知している
日系企業がマレーシアに進出する際には、現地視察・市場調査・人材の確保・物流の特徴・適切な営業や販売形態についてリサーチする必要があります。
内容は多岐にわたり、国や業種によってリサーチ内容や必要な事前情報が変わります。
マレーシアにおいては、宗教を尊重した労働環境の工夫が必要だったり、有力な現地企業は財閥や王族ファミリーの場合が多いので、取引きの最終意思決定者の選定が重要などの特徴があります。
全てをアウトソーシングせずとも、必要なプロセスを専門家に任せることで、スムーズにマレーシアへと進出可能です。
2.現地手続きや法令に詳しい
マレーシアに進出する場合、事業や雇用関連の書類提出がいくつも必要になります。
特にマレーシアは法令が変更された場合、公布から実施までのスピードが早いです。
日系企業の進出に寛容ではあるものの、進出の条件を満たせていないと許可が降りないので、マレーシアに特化した専門家がいるサポート会社の活用がおすすめです。
まとめ|日系企業の成功事例を学びマレーシアへの理解を深めることが大切
日系企業がマレーシアに進出する際は、多民族文化への理解や法律、現地ニーズを理解することが重要です。
現地のパートナーとの信頼関係を図り、マレーシアの地域の成長と市場動向を踏まえた戦略を構築しましょう。
また、マレーシアの法律や規則を遵守し、法務関連で不明な点がある場合は、専門家がいるサポート会社への依頼を検討しましょう。
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